最近のアニメなどの原作でキャラクターを描く際に、大きなヒットとなった設定が、ツンデレである。それほど一般的な言葉ではないが、二次元に造詣の深いオタクの会話内では、スラングと言うよりもむしろキーワードや類型として扱われている。その萌え要素として、萌えアイテムの力を借りずに女の子の内面を性格やしぐさ等で描き出すと言う表現を行ったことが、成功の一端ではないかと思う。そもそも、性格や行動で分類される女の子への憧れや恋愛感情の類型として、「秀才の女子クラス委員長・生徒会長」「男勝りのスポーツ少女・運動部の部長」といったものがあった。そのような女子の傾向として、いわゆる「甘える・ベタベタする」といったある種の女に対するステレオタイプと相反する性格と行動が認められる。ベタベタせず、甘えず、規律を守って厳しく接する、自己主張を持っている・といった言葉で示される。ツンデレにおいては、これらのような言動を「ツンツンする」部分として認識する。但し、このツンツンするセリフや行動は、一般的または公の場で・ないしは、恥ずかしさや照れの裏返しを描く心理描写のシーンにおいてのみ認められなくてはならない。なぜならば、ツンツンするだけの反応では、男性に対する距離感もまた遠くなってしまい、物語の成立や発展が阻害されてしまう。つまり、ツンツンだけの要素では、男性にとっては受け入れられる接点がなくなって、単なる憧れの女性と言う立場にとどまってしまうのである。そこで、恋愛対象となる異性に対して、近寄りがたさと真に逆のベクトルである(甘えや媚びなども含めた)女性らしさを用いて描く人物描写が行わ、この女性らしい甘えや優しさから発する言動を、「デレデレ」と表現した。
では、改めてツンデレの基本をまとめてみよう。普段は自己を確立して学業やスポーツなどの能力値が高い女の子が、好きな男の子と二人きりになるとデレデレとした言動を取る。そしてこのギャップを重視し、舞台背景や設定・キャラ同士の絡みを利用して描かれた女キャラ・または手法をツンデレと考えていいのではないかと思う。では、エロにおいてツンデレがどのように利用されるかを考えてみると、やはりそこには「ギャップ」によってエロを誇張する手法が採用されることになる。ある意味において、細かな設定の差はあっても、基本はこのギャップを最大限の振幅を持って劇中で描いていくことであろう。良く使用される設定を拾い上げてみると、読み手(男性)は勉強もスポーツもパッとせず、また外見も冴えない高校生として描かれ(暗に読者層のシンパシーを刺激する)、ツンデレ(女性)のキャラクターは、主人公との接点が全くなさそうな美少女で、勉強の出来るメガネの秀才少女や運動少女等として描かれる。このキャラ同士の接点に納得性を与えるには、幼馴染という設定など、子供の頃からの過去の関係を継続かつ維持していると言う世界観の構築が用いられる事が多い。
エロマンガなどにおいて表現の意味合いとして最も重要な点は、このような頭脳明晰で賢い美少女やスポーツ少女であるツンデレ娘との関係や恋愛を、最大のギャップとなるエッチな行いや描写によって表現することであろう。女性の偶像化やアイドル化は珍しくないが、ツンデレのエロアニメにおいても同様の手法が使われていることになる。無論、マンガにおけるコマや画像での表現の中には、様々な萌え要素が取り込まれる。例えば、恥じらいを表わす設定に、あらゆる面で完全な女の子に唯一のコンプレックスとして貧乳の設定を与え、「胸が小さいから…おっぱい揉んでもつまらないでしょ…」という萌えセリフを喋らせたり、またはお尻の穴やペニスを表現するワイセツな淫語を叫ぶ描写や、いきなり制服やブラジャーとニーソックスを脱ぎ捨てて裸 ヌードで主人公に抱きつくなどの行動を描くなど、主にギャップを力強く修飾するような表現を用いることが多い。
以上に、ツンデレにおける萌え及びエロとの関係を記述してみた。ツンデレは比較的新しい言葉であるが、その言葉に内包されている意味や意図の根源は、キャラクターの描き方として従来から脈々と繋がっているのではないだろうか。(了)
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